林檎とレールのあいだ

Apple製品や鉄道旅行について書いたり書かなかったり

「そんなことも知らないの?」という無知

今日は、掛けているメガネを探すということと、掛けていないメガネをずり上げるという2つの偉業を成し遂げました。両方同日は初めてです。

 

先日、書店でふと手にした書籍に、僕はたいそう驚き、そしていろいろと考えさせられました。


その本とはこちらです。 

f:id:iganao:20140721185026j:plain

 

この本を手にした瞬間、僕はこころの中でこう叫びました。

USBメモリの使い方で本一冊書けるのかぁーーーっ!(驚)」

「しかも基本編と応用編まで!!(驚愕)」


そして正直に言いますと、一瞬こうも思いました。

「こんな本、いったい誰が買うんだよ、マジうけるんですけどw」

「てか何書いてあんの?USBメモリなんかデータコピって持ち運ぶだけだろwww」

と。

 

ところが、中身を読んでみると実は知らなかったことが沢山!!、、、というお話しではありません。

実際、特段、珍しい使い方でもなんでもない内容でしたし、基本編と応用編の目次はほとんど一緒で、あまり違いもない感じ。

 

でも、帰宅してAmazonで検索してみると同じような本が何冊も出版されていますし、
数は少ないですが、「役に立った!」と五つ星のレビューもあります。
(レビューの信憑性は置いておくとして。。)

ということは、やっぱりこういう本の需要が少なからずあるということです。

 

実は、同じようなことはTwitterfacebookの解説本にも感じていました。
実際にちょっと触ってみれば分かりそうなもんだけどなぁ、と。

しかし、この「USBメモリ本」ほど強烈に感じたことはありませんでした。


最初に「USBメモリの使い方で本一冊書けるのかぁーーーっ!」と叫んだ理由は、自分だったらUSBメモリについてだけではとても本1冊分もの量の文章を書くなんて無理だと思ったからです。(誰も頼んでない)
あまりにも身近で当たり前すぎてA4版1枚も埋められない気がしました。

ファイルをコピーして持ち運ぶということをどんだけ想像膨らませて書きゃいいんだと。

 

でもそれは、自分に、別の意味の想像力と文章力がないだけですね。

 

僕の中では、「ファイルをコピーする」という言葉の中に、Excelのファイルをコピーすることも、よく使うツールやアプリケーション本体をコピーすることも、DVDの中身を丸ごとコピーすることも、セキュリティを考えて暗号化してコピーすることもすべて含まれてしまっていました。
それは自分が普段当たり前のようにやっているからです。
でも、本の中ではこれらのことは全く別のこととして章を分けて扱われています。
アプリケーションはPCの中からしか起動できないと思っていた人からすれば新しい使い方を知ったことになるし、USBからOSを起動できることを知らない人からすればビックリるするかもしれない。そういったことをきちんと分けて解説しているわけです。

そう、自分の常識は世間の常識ではないのです。(あたりまえ)
そしてこれらの内容を分りやすく文章に落とし込む技術、これも実はすごく難しくてなかなかできるもんじゃない。

 


なんか、僕は大事なことを忘れかけていたようです。


僕が大学の情報学講義を受けたとき、つまりMacに初めて出会ったとき、しばらくの間、Macに入れたフロッピーディスクをなかなか取り出すことができないでいました。
僕はこの時のことを今でも鮮明に覚えています。
Windowsしか使ったことがない方は分からないかもしれませんが、Macはフロッピーを取り出すときは、フロッピーのアイコンをゴミ箱にドラッグするのです。


「捨てるわけでもないのにゴミ箱に入れるなんておかしい!だからMacはあーだこーだ、」とWindows狂の友人がしきりに非難していたことが思い出されます。


ところが、僕がマウスでフロッピーのアイコンをゴミ箱に持って行ってもMacは一向にフロッピーを吐き出してくれないのです。
どんなにフロッピーとゴミ箱を重ねても出てこないんです。
なぜ出てこないかわからないまま、しばらくグリグリやっているとあるタイミングでペロッと出てくるのです。
僕はこの原理が分からず、かなり悩みました。
ペロッと出てくるときと、フロッピーのアイコンとゴミ箱のアイコンの重なり具合に何の関連性もないからです。
ほとんど重なっているのに出てこないこともあれば、ほんのちょっと重なっただけで出てくることもありました。

でもしばらくして謎が解けました。
アイコンの重なりじゃないんだ!マウスの矢印の先端がゴミ箱に重なっているか否かなんだ!
まさに「アハ体験」です。
もうこれ、知ってしまえば本当に何でもないことです。でも知らないと本当に分からないんです。
僕はこの経験をしたことと、それを鮮明に覚えていることは自分にとってとても大切なことだと思っています。
こんなことすらできなかった自分という記憶、まさに初心忘れるべからずの初心です。


その後、Macに夢中になり、しばらくするとパソコン教室のアルバイトをして年配の方とかにMacの使い方の指導をしていました。
このバイト自体もとてもいい経験だったのですが、あのフロッピーの体験があったことがさらに何倍もいい経験にしてくれたと思っています。
バイトでは、それはそれは様々な質問を受けてきましたが、生徒さんがつまづいているところがどんなに些細なことでも、そしてどんなに簡単なことでも驚かなかったし、そうか!ここが分かりにくポイントなのか!と逆アハ体験もありました。
むしろこっちの方が教えてもらったことが多いぐらい。

 

ちょっと話が飛びましたが。


僕も世の中知らないことだらけです。
結構、ぽっかりと知識が抜け落ちていて驚かれることもあります。
それこそ「そんなことも知らないの?」と言われることもしばしば。

やっぱ恥ずかしいですよね、知らなかった自分って。

このブログとかfacebookTwitterでも、そんなこと知ってるよ、と思われる内容を書いてることもあるし、何をいまさら、な内容かもしれない。

でも、そんなこと考えていたら何も書けないし何もできない。
ただただ自由気ままに書くだけだけど、僕が知っていることや当たり前に思っていることを知らない人もいるだろうし、読んでくれた人がちょっとでも「へぇ~」と思うことがあったとしたらそれはそれでうれしいなという感じです。