お盆休みで「帰省中」の方も多いと思いますが、そんなことよりも僕は「寄生獣」の実写版映画の公開が待ち遠しくて仕方ありません。
さて、実家にある僕の机には、自分が買ったモノではないのだけれど、なぜかずっと置かれている物がありまして、もう長いこと風景の一部になっていて普段はまったく気にも留めていなかったのですが、先日、ふとした拍子にまじまじと見てみると結構貴重かなと思われる物があったのでメモっておきます。
それはこの昭和九年に初版発行の三省堂の英和辞書です。聞くところによると、僕が生まれる前に他界した母の兄が使っていた辞書らしいです。
この本自体は昭和二十二年発行の第八十版のようです。なぜか価格が塗りつぶされていていくらだったのか分かりません。
開いたところはこんな感じで、印刷が少しずれているページも。
前書きの文章曰く
『その小柄でシークな姿で出版界にデヴューした當時、世人は先ず好奇の微笑を以て之を喜び迎へたように思われたが、その限られたスペースに盛られた内容の整美と充實とが悉知せられるに及んで、好奇の微笑は徐に讚美の聲とさへ變つて行つたのであつた。』
だれか僕に国語辞典と漢和辞典をください。
興味ある方は全文をお読みください。昭和九年、つまり戦前の文章です。
さて、ちょっとだけ単語を調べてみることにしましょう。
まずは、我らが「Apple」はどうでしょう。やはり「林檎」ですかね。。
ん?「苹果」?
いきなり分かりません。なんと読むのでしょうか?
調べたところ「へいか」または「ひょうか」と読むそうです。聞いたこともありませんでした。。
次は「Internet」を見てみます。
さすがにまだ載っていないようです。
では、「Net」や「Network」はどうでしょうか?
さすがに単語としては載っていました。でも意味は「網」とか「網目」だけで1行で片付けられておりメジャーな言葉ではない感じですね。
「Computer」はどうでしょう。
「Computer」は無いですが「Compute」はありました、「計算スル」と一言。
次は「Program」を見てみます。
名詞として「番組」「段取り」が載っていますが、動詞としては載っていないですね。
次は一般的な単語の「make」
「セシメル」とか「コシラヘ」とか時代を感じます。
そしてよく見ると我らがSONYのブランドメッセージである「make.believe」が「カコツケ」「口實」という意味だとは知りませんでした。
間にドットを入れているとは言え、英語圏の人の第一印象はあまり良くないんではないですかね、これ。
かつて「Walkman」も変な英語だったのに商品力でメジャーな名詞にしてしまったあの威力をまた取り戻してほしいです。(遠い目)
この辞書の初版は戦前で、この辞書自体は終戦二年後の発行です。戦中は敵性語として英語の使用がはばかられる時代だったらしいですし、もしかしたら初版から内容はだいぶ変わっているかもしれません。
辞書の内容はまさにその時代を反映しているので、時代遅れになって辞書としての用途を終えた後も、歴史資料として取っておいて損は無いですね。