また一つ思い出の車両が引退することになりました。
僕はよく、このエンジ色とクリーム色のツートンカラーの485系特急電車を話題にしますが583系も大好きでした。やはり男の子だったからか、赤い電車よりも青い電車のほうが好きだったので485系をそのまま青くした583系に憧れていました。
しかしこういった長距離特急電車は小さい頃は乗りたくて乗れるものではなく、たまたま親戚の家に行くときに485系を使っていたから特に親しみを感じていたわけです。
なんとかあの青い電車にも乗れないものかと思いながら、長いこと実現しないままでした。
ところがある日、その485系に乗って出かける日に、家を出るのが遅れてしまい、当初、上野駅から乗るはずだった新幹線に乗り遅れてしまったのです。
やむを得ず、次の新幹線に乗って途中の乗り換え駅である新潟に向かいましたが、新幹線に乗り遅れると新潟駅で乗り換えるはずの485系特急『いなほ』は先に出発してしまっています。
仕方なく次の特急を待つことにしたのです。
本来なら、次の電車までは結構な時間があります。しかしその時は幸運にも臨時の急行電車が走ると言う情報が聞こえてきました。
この時はまだ、スマホはおろか電光掲示板でさえそんなにない時代で、臨時の情報を入手するのは難しいことでした。
田舎の臨時列車だからどんな車両が来るのかと待っていると、なんとあの583系が入ってくるではありませんか。
もうこのときばかりは、飛び上がるほど嬉しかったことを覚えています。
今回の583系の写真はその時に撮ったものです。
もちろんデジカメではなくフィルム写真でしたが、今回はそれをデジカメで撮りました。
この583系は寝台ですがブルートレインとは違い「電車」として寝台なのです。いわゆる電気機関車が牽引するタイプの寝台列車では無いということです。
やってきたのは急行『庄内』という電車でした。
この時は夜ではないので普通の座席が用意された電車として入線してきました。
車内はこんな感じ。
夜は通路を挟んで両側に、この時は座席や窓の上に折り畳まれているベットが並ぶのです。
臨時列車ということもあってほとんど乗客もなく、静かで快適な旅でした。
僕が583系に乗ったのあとにも先にもこの一回だけです。
このときばかりは電車に乗り遅れてよかったなあと心の底から思っています。
予期せぬトラブルがまたとない思い出にななったのですから。
1985年の出来事でした。