とうとう、本日14日をもって寝台特急「あけぼの」の運行が終了してしまいます。
だいぶ前から徐々に寝台列車がなくなりつつあったので、「あけぼの」が無くなるのも時間の問題と思っていましたが、その日が来てしまいました。
昨年の11月、JR在来線乗りつくしの旅の最後に「あげぼの」に乗ってきたのですが、偶然にも、「あけぼの」がなくなるというニュースが話題になる日の朝に切符を購入していたのでした。
なので僕が切符を買ったときはまだ余っていたのですが、さすがににニュースになった後は速攻で無くなっていました。あの日からは切符を手に入れるのも格段に難しくなってしまったと思います。タッチの差で買うことができて本当に運が良かったです。
寝台は料金もそれなりに高いですし、長距離なので、乗りたくてもなかなか乗る機会を作りづらかったのですが思い切って旅の最後に入れておいてよかったです。
今回はその時に撮った写真を紹介します。
これは青森駅前にある「青森ベイブリッジ」。青森港の周りには結構いろんな建物があって夜景がきれいです。
さて、駅のホームに向かいますと廃止が発表されて間もないですが、早速カメラを構える人たちが。
と人を撮っていたら「あけぼの」がディーゼルカーに牽引されて入線してきたので慌ててカメラを向けました。
編成全部がホームに収まったところ。
青森ベイブリッジをバックに一枚。
乗車したのは上り列車。青森から上野までです。
まずは、B寝台車両に入ってみました。
よくドラマで探偵とか警察の人がそれとは気づかずに犯人とすれ違いざまにぶつかるシーンが目に浮かぶ廊下。
B寝台の下段。まくら、掛け布団、浴衣がおいてあります。昼間は下段はこのまま座席として使います。
そして、ゴロンとシート車両。
車両自体はB寝台と同じで、まくらや掛け布団などの寝具が一切ないので、このベッドに文字通りゴロンと横になるだけのシートです。これは上段。
下段もほんとに何もないただの座席。その分値段は安いのですが。
そして、A寝台車両。
A個室とあって扉も木目調。さすがに扉を開けるのは気が引けたので、中身は撮れませんでした。
そして最後は、今回、僕が乗車したBソロ個室です。2階建ての個室で、車両中央の廊下を挟んで両側に個室が配置されています。右の写真は1階個室の入り口。とても低くて、まるで茶室の入り口のよう。
個室のドアは暗証番号式のカギがかかります。扉の色は交互に違ってた。
個室内も広いとは言いがたいほどの空間。大人は中では立てない高さ。2階個室への階段部分がかなり出っ張っている。クッション、ゴミ箱、折り畳みテーブルが備え付けてあります。
そして2階個室へ。1階の個室と個室の間にこんな感じで両側に2階個室の入り口があります。
2階も広くも高くもないです。車両の両側にあるので左右対称の個室があります。寝るときは、このスリッパが置いてある玄関のような部分の上に、パタンと木の床板を倒していって薄紫のマットもパタンと倒して平たくして寝ます。そうなると、扉が開かなくなるので個室から出られません(笑)。ちょっと面倒ですね。
そしてこれが浴衣。JRのロゴの模様です。
写真を撮りまくったら、いよいよ12時間半の長旅へ。半分ぐらいは起きて窓の外を眺めていました。
そして上野到着。
気づきましたか?
青森出発の時は赤い電気機関車でしたが、途中で青い電気機関車に変わっています。これは別に、電気機関車から怒りが消えたというわけではありません。
このEF64は、子供の頃に、なけなしのお金を出して買った鉄道模型車両なのでそれはそれで感慨深いです。
上野駅に降りてから、改めて撮った「あけぼの」は本当にもう満身創痍という感じに見えました。確かにこれでは存続も難しいですかね。。
「あけぼの」という名の寝台特急に乗ったのはこれが最初で最後。
「あけぼの」と何度か名前が入れ替わったりしている同じ路線の寝台特急を含めると4回ぐらい乗りました。
前に書いたエントリーの出来事は「あけぼの」に名前が変わる前の「鳥海」か「出羽」号だったと思うのですが、なにぶん大昔のことで記憶があいまいです。
これ以外にも、窓を挟んで向かい側の席にいた同い年ぐらいの兄弟とすぐ仲良くなって遊んだりと、乗るたびに記憶に残る思い出が増えていく乗り物というのも他にはない特殊な乗り物だったと思います。
そんな寝台列車がなくなるのはほんとさびしいです。
今後は「ななつ星」みたいな超高級列車なら味わえるかもしれませんが、それは先立つものの関係で難しいので、季節列車かなにかで復活して機会があったらまた乗ってみたいです。
とにもかくにも、寝台特急「あけぼの」さま、お疲れ様でした。