林檎とレールのあいだ

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スマホのバッテリーを長持ちさせる方法

さて、今日は毎日使っているスマホのバッテリーを長持ちさせる方法の紹介です。

 

はじめに

ここに書かれていることを実際にやってみて、スマホが壊れたとか、バッテリーがおかしくなってしまったとか、そういったことがあっても一切責任取れませんので自己責任でお願いします。

自己責任でお願いします。
大事なことなので2回言いました。
 
それから、ちょっと長いので、結論だけ読みたかったら最後の[まとめ]の章へどうぞ。
 

バッテリーを長持ちさせるとは?

バッテリーを長持ちさせる、というと2つの意味がありますね。
 
まず一つは、日々使っているスマホが家に帰るまで持ってくれ!という長持ちがありますね。
この場合は、例えばスマホの液晶の明るさを抑えるとか、WiFiやBluetoothを使っていないときは切っておくとか、バックグラウンドのアプリを終了するとかで、なるべく電気の消費を抑えることで長持ちさせるノウハウをよく見かけます。これはこれで大変意味があることだと思います。
 
でも今日のお話はそうではなく、バッテリー自体の寿命を長持ちさせるというものです。
これはどういうことかというと、たとえばスマホは2年も使っていると、バッテリーがへたってしまって1日も持たずに電源が切れてしまうことがありますよね。これを2年経ってもちゃんと丸1日使えるようにバッテリーの寿命をのばす方法についてのお話です。
 
 

その方法とは

結論からいってしまいましょう。
 
ズバリ!スマホのバッテリーの寿命を伸ばすには
 
早起きすること!!
 
です!
 
 
 
 
あっ、ページ閉じないでください。
 
 
 
んなぁわけないと思いますか?
まあ、そうですよね、まだ風が吹いて桶屋が儲かる方が現実味がありますよね。
 
でも、使い方一つで寿命を伸ばせるかもしれないとしたら、やってみたいと思いませんか〜♪
 
 

 バッテリーがへたるとは 

まず、バッテリーがへたってしまうとはどういうことでしょうか。
 
例えば、iPhone 6 Plusに搭載されているバッテリーの容量は2915mAh(ミリアンペアアワー)だそうです。
かりに買った当初、100%まで充電するとバッテリーが無くなるまで4日間使えたとしましょう。これが、使っているうちに、3日間で無くなるようになり、そして2日間で無くなってしまうようになったら、おそらくバッテリーの容量が単純計算で半分の1457mAhに減ってしまったということになります。
 
う〜ん、何だが複雑な感じですので、簡単にしましょう。
皆さんのスマホのパッテリーの容量が100mAhだとしましょう。いやmAhとかややこしいので、100の電気が入るバッテリーだとしましょう。
 
これが2年使うと50の電気しか貯められないバッテリーになってしまうということです。
そしてこれを、2年経ってもせめて80の電気が貯められるように大事に使おうというお話です。
 

バッテリーのへたりかた

バッテリがへたってしまうことを「劣化する」といいます。
このバッテリーの劣化はおもに2つに分けることができます。
それは、「サイクル劣化」と「保存劣化」です。
 

サイクル劣化とは

サイクル劣化とは、バッテリーの充電と放電を繰り返すことによって劣化していくことです。たとえば、皆さんが、家に帰ってからスマホを充電器にセットして充電を開始し、朝には100%満タンにまで電気が貯まっている、となると毎日1回の充電と放電、1年で365回の充電と放電をしたことになります。
バッテリーは500回程度の充電と放電をすると寿命が来るとか言われます。てことは毎日充電では2年は持たないかもしれないということですね。
 
さて、ここで問題です。次の2つのバッテリーの使い方ではどちらの方がより早く劣化してしまうでしょうか?
 
【使い方その①】
100%に充電されたバッテリーを一気に0%まで使い切る使い方。
充電回数1回。取り出した電気は100

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【使い方その②】
80%に充電されたバッテリーを30%まで使い、再び80%まで充電してまた30%まで使う使い方。
充電回数2回。取り出した電気は100

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答えは、使い方その①のバッテリーが早く劣化するのです。意外ですか?
どちらも同じ100の電気を取り出したのにどうしてでしょうか。
バッテリーの寿命に影響するのは、実はこの図の中でいう矢印の長さなのです。矢印が長い方が寿命が短くなります
充電と放電の回数よりも、電気が出たり入ったりする変化の大きさの方が寿命に影響するのです。
 
なぜそうなるかって?
それは、、、バッテリーとはそういうものなんです!
 
わかりやすい例で言いますと、
たとえば、自動車のハイブリッドカーにもバッテリーが搭載されています。このバッテリーは、車を動かすわけですから、それはそれはスマホなんか比べるべくもないほどの大電流が流れる過酷な使い方をされます。充電と放電の繰り返し回数なんか1000回や2000回では済みません。
でも、スマホのバッテリーは2年やそこいらでへたってしまうのに、ハイブリッドカーのバッテリーは5年とか8年とか使うことができると言われています。なぜでしょうか。
実はハイブリッドカーのバッテリーは100の電気を貯められるにもかかわらず真ん中へんの50ぐらいの電気しか使っていないのです。さっきの矢印を短くしているわけです。そうすると大幅に寿命を延ばすことができます。もし100の電気をふんだんに使ったらあっという間に劣化して使えなくなってしまうでしょう。それぐらい寿命に影響するのです。
 
なのでスマホでも、80%から90%ぐらいまで充電できたらそこで充電終了。
一日使って10%から20%ぐらいになったらまた充電して80%から90%ぐらいにする、という使い方をすると寿命を延ばすことができます。買ってすぐのスマホならバッテリーも新しいのでこういう使い方ができるのではないでしょうか?
 
 

保存劣化とは

 
保存劣化とは、時間が経つにつれて劣化することを言います。つまり、バッテリーは作られた瞬間から何もしなくても、わずかずつですがどんどん劣化しているのです。
 
さて、ここで問題です。ここに2つのバッテリーがあります。ずうっと同じところに放置されているこの2つのバッテリーに何か違いが出てくるでしょうか?

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実は、この2つのバッテリーでは、左のバッテリーの方が早く劣化します。電気がたくさん貯まっているバッテリーの方が早く劣化してしまうのです、ただ置いておくだけで。
 
なぜそうなるかって?
それは、、、バッテリーはとはそういうものなんです!
 
より多くの電気を貯めたバッテリーの方が早く劣化する、つまり、100%まで充電した状態で放置されるのが一番劣化が早いことになります。
 
ところで皆さん、家に帰ったら早速スマホを充電して100%充電の状態で一晩中、朝まで放置していませんか?それが一番バッテリーを劣化させる使い方なのです! 
 
ただ、全く空っぽのまま放置するのも劣化が早まります。ややこしいですね。バッテリーの種類にもよりますが50%ぐらいでの保存がバッテリーには一番優しいようです。
 

温度も大事

バッテリーの劣化には温度が大きく影響します。バッテリーの温度が高いとどんどん劣化していきます
スマホのバッテリー温度が高くなるのはどんな時でしょうか?
真夏の車内に放置とか直射日光に当たるところに放置したりするのはもちろんバッテリーにとっては最悪の環境ですし危険ですのでもってのほかです。
そんなことはしなくても、毎日充電しているときにスマホが熱くなっていることに気づきませんか?
そう、バッテリーは充電すると自ら発熱して熱くなるのです。なのでなるべく充電しないようにしましょう!ってそんなわけにいきませんね。
でも効率よく充電することはできます。
さてここでまた問題です。次の2つのバッテリーの充電ではどちらが早く終わるでしょうか?
 
【充電その①】
50%から100%まで充電する。
充電した電気は50

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【充電その②】
30%から80%まで充電する。
充電した電気は50

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正解は充電その②のバッテリーの方が早く終わる、です。どちらも同じ50の電気を充電しているのになぜ早く終わるのでしょうか?実はバッテリーは100%に近づくほど充電しにくくなっていくため、だんだんと時間がかかるようになってしまうのです。
ということで、ここでもバッテリーは100%まで充電しない方が良いということになるのです。
 

ゆっくりと充電する

充電にかかる時間は短い方が何かと便利ですよね。出かけた先でバッテリーがなくなってしまったので、有料の充電器を使ったり携帯ショップで充電させてもらったりした時も早く充電したいものです。
しかしですね、バッテリーというものは実は早く充電すればするほど早く劣化するのです。だから長持ちさせるためにはなるべくゆっくり充電する方が良いのです。
 
そうはいっても、どうやってゆっくり充電するのさ?という疑問が出てくると思いますが、簡単な方法があります。パソコンのUSBポートにつないで充電するのです
 
それはなぜか?
スマホには充電用にアダプターが付属していたと思います。iPhoneやiPadならこんなものが。

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そのアダプターをよ〜く見ると小さな字で「Output 1A」とか「Output 2A」などと書いてあると思います。これが充電する時に流れる電気の量を示しています。
ややこしいので単位は忘れて、単純に「1」とか「2」という電気が流れると覚えましょう。充電器のほとんどは1から2の電気が流れます。
この数字が小さい方がゆっくり充電できることを意味しています。なので「1」と「2」なら「1」のアダプターを使う方がゆっくり充電できます。
 
さて、ではUSBポートに接続して充電した場合はどうなるのでしょうか?
USBポートは充電アダプターの「1」に対して「0.5」つまり半分の電気しか流れません。なので、よりゆっくり充電することになりバッテリーが劣化しにくいのです。ゆっくり充電するとバッテリーの発熱も抑えられるので一石二鳥です。
 
ここで、一つ注意点が。
最新のUSBであるUSB 3.0では、実は「0.9」の電気が流れるようになりました。なのでなるべくUSB 2.0のポートにつなげるようにしましょう。
 
そんなこと言ってもUSB 2.0 と 3.0 なんて分からんよ!と思われるかもしれません。これは簡単です。
この写真をみてください。

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青いUSBポート黒いUSBポートがあります。青いポートが3.0ですので青くないUSBポートにつなげましょう。
 
ただし、アップル製品の場合は、デザイン重視のためかUSBポートの種類に関係なく白い色をしているため区別できません。

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仕方ないので、気にせずに使いましょう。
 

[まとめ]バッテリーを長持ちさせる使い方とは

さて、いよいよ最後に今まで書いてきたことをまとめますと、もっともバッテリーを長持ちさせる使い方はこうなります。
 
  1. 家に帰って来たらスマホは放置。充電してはダメです。しかも、なるべく涼しいところに置きましょう。ただし、この時、完全に空っぽだったら50%ぐらいまで充電しましょう。家に帰ってからもスマホをバリバリ使う場合は充電するしかないですが、その場合でも90%ぐらいまでの充電に押さえましょう。僕は家に帰ってからはMacを使うのでスマホは放置しています。
  2. 翌日は早起き!目が覚めたら、すかさずパソコンの青くないUSBポートにつないで充電開始。パンをくわえながら駆け足で家を出るライフスタイルの人では充電が間に合いません。早起きして時間を確保しましょう。朝はパソコン起動していないよ、という人はアダプターで良いでしょう。
  3. 朝食を食べたり身支度を整えたりしている間に充電が進み、スマホのバッテリー表示が90〜95%ぐらいになったらUSBから外して充電完了です。毎朝の準備にどのくらい時間がかかっているかを把握して、何をやる頃にちょうど良い充電量になるかの目安を見つけましょう。ちなみに僕は、朝起きてすぐ充電開始して、出かける頃にはちょうど良い感じです。
  4. 日中、どうしてもスマホ使用量が多くなってモバイルバッテリーなどで充電する時には、スマホのバッテリー表示が30%ぐらいになったら充電を開始して80%とか90%ぐらいまで充電しましょう。
 
どうですか?早起きするとバッテリーの寿命が伸びる理由がわかりましたか?
 
充電しないで寝てしまうと、夜中にスマホが完全に落ちてしまって、朝、目覚ましが鳴らなかった!遅刻!となるかもしれませんのでそこは気を付けましょう。
 
さて、いろいろと書いてきましたが、やっぱりなにをやってもバッテリーは1日持たないよ、足りん!全然足りん!とおっしゃるそこのあなた!もしかしてスマホ中毒になっていませんか?
 

最後に 

ここで書いてきたいろんな説明は、わかりやすくするためにとっても大雑把にしていますので、厳密には実際とは違う部分があります。またバッテリーとは主にリチウムイオンバッテリーのことを想定して書いてあります。
ここに書かれた方法で実際に寿命を伸ばせることを定量的に確認したわけではありません。同じスマホ2台で同時に試すことができないので確かなことは言えませんが、バッテリーの原理、特性に基づいて予測で書いている部分があることをご理解いただき、自己責任にて行ってください。
 
でも僕が実践していることだけは事実です。